一般相対論とは

ハッブルの法則を遠い銀河の運動に適用することを考えよう。もし、ある銀河が 距離$c H_0^{-1}$だけ離れているとしよう。すると銀河の後退速度の大き さは光速に一致する。この距離をハッブル距離と呼ぶ。さらにハッブル距離より 遠い銀河は光速を超える速度で遠ざかる。このような非常に速い銀河の運動は、 もはやニュートン力学で記述することはできない。重力をより正確に記述する理 論、すなわちアインシュタインの一般相対論を用いなければならない。アインシュ タインによると、重力は時空のゆがみとして現れる。物質や輻射はゆがんだ時空 上を「まっすぐ」に進む。アインシュタインは「いかなる座標系においても物理 法則は同じである」という一般相対性原理に基づき、質量やエネルギーによって 「時空がゆがむ」という結論にいたった。なぜ時空は「ゆがむ」のだろうか?  アインシュタインが考えた道筋をたどってみよう。