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Inoue Lab. 近畿大学
宇宙論研究室

News

宇宙誕生時の重力波の痕跡発見?

「BICEP2」共同研究チームにより宇宙マイクロ波背景輻射(CMB)の偏光ゆらぎ(角度スケール1?5度)中に、宇宙誕生直後に生成されたと思われる時空の揺らぎを起源とするBモード(うずのようなベクトル場、磁場に対応)が発見された、という報告がありました。このBモードはインフレーション(初期宇宙の加速膨張)直後の時空の揺らぎである原始重力波の存在を示す強い証拠になるため、その発見は宇宙論の歴史上極めて重要です。今後、既に観測を終了しているPlanck衛星のデータを用いて、今回検出されたシグナルの精度をチェックし、さらに様々な角度スケールのBモードを、人工衛星などで観測することにより、初期宇宙の様相を詳細に探ることが可能になりそうです。 参照:CfAのホームページ(英語)

(arXiv:1403.3985 Ade et al.)

CMBのBモード偏光パターン。短い黒線の大きさと向きが、CMB光子の偏光の大きさと向きに、それぞれ対応している。横軸は赤径、縦軸は赤緯を表す。