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Inoue Lab. 近畿大学
宇宙論研究室

業績

論文

Evidence of Quasi-linear Super-Structures in the Cosmic Microwave Background and Galaxy Distribution

発表誌

Astrophysical Journal, 第724巻(12頁~25頁)

要旨

近年、天球上の宇宙背景マイクロ波輻射(CMB)温度揺らぎに存在する「コールドスポット」と呼ばれる特異な低温度領域の存在や、大角度CMB 温度揺らぎの統計的非等方性、SDSSのLRG銀河分布や2MASSの銀河分布に おける揺らぎのピークとCMBの間に存在する強い相関等の観測結果から赤方偏移z<1で100Mpcを超えるスケールをもつ準線形超構造の 存在が示 唆されている。

観測値の統計的有意性を評価 するため、我々は、「薄い壁」近似を用いた球対称な一様ボイドモデルを用いて、与えられた3次元銀河マップ中におけるもっとも特異的、即ち、特定 のスムー ジングスケールに対してもっとも振幅の大きい構造に起因する積分ザックス・ヴォルフェ効果を密度揺らぎが線形から準線形にいたるパラメーター領域 に対し解析的に評価 した。

又、LTBモデルや一般相対論的二次摂動論に基づいた計算と比較し、計算精度を評価した。その結果、近傍の準非線形超構造起源の温度揺らぎ の観測値 は、標準的なLCDMモデルの予言に比べ、有意に大きいことが判明した。

研究者:近畿大学理工学部理学科 井上 開輝 
山形大学 坂井伸之
京都大学 冨田 憲二

業績区分: 論文
発表年月: 2010.10
共同単独区分: 共同

 


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