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Inoue Lab. 近畿大学
宇宙論研究室

ダークマターとは?

ダークマターとは、宇宙の大部分を占める光でみえない質量を持つ物質です。ダークマターの個別の大きさは未だ不明で、素粒子、ブラックホール、その他天体である可能性が考えられます。ダークマターが自ら光を放ったり、光を吸収することはありませんが、ダークマターの質量にはたらく重力からダークマターの存在を間接的に知ることができます。例えば、ダークマターにはたらく重力が銀河の運動や銀河から放たれた光に及ぼす影響から、ダークマターは、宇宙に均一に分布しているのではなく、密になったり、まばらに分布していることが分かっています。ダークマターが密になっている領域はハローと呼ばれ、宇宙に存在するほとんどの銀河はダークマターのハローの中にいることが分かっています。また、ダークマターは宇宙の構造の種として重要な役割を果たしてきました。水素やヘリウムといった通常の物質は、ダークマターのハローに引き寄せられて集まり、星や銀河が作られてきたと考えられています。宇宙の構造形成の観点から大別すると、ダークマターはその誕生時、光速より十分小さい速さで運動していた「冷たいダークマター」、光速に近い速さで運動していた「温かいダークマター」、さらに光速に近い速さで運動していた「熱いダークマター」の3種類に分類されます。しかし、ダークマターがあまりに速く運動し続けると、元々あったダークマターのムラがなまされ、その周りの水素ガスやヘリウムガスが集まりにくくなるため、銀河や銀河の集団が作られにくくなります。このことから、現在では 「冷たいダークマター」か「温かいダークマター」が有力な候補とされています。

ダークマターの正体を解明するため、近畿大学 理工学部 理学科 物理学コース 宇宙論研究室(Inoue Lab.)では重力レンズ天体の観測的及び理論的研究を行っています。最近の研究成果はこちらをご覧ください。